えぬのびー

ニートの (くだらないことを書く) ブログ

カラスの自己紹介

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僕はこう見えて、昔バイトをしていた時期があった。とある知り合いの工場なんだけど、鉄製品の加工を手伝っていた。
 
工場の場所も比較的家から近く、徒歩で数分といった距離。実働時間は8時間。他の社員と同じ時間、きっちりと働いていた。
 
仕事が終わるのは夕方5時以降。ちょうど夕日が落ちかけ、カラスが帰るのと同じ時間帯だった。
 
巣は僕の家の反対方向にあるのだろう。毎日カラスの波に逆らうように帰っていたのを思い出す。
 
そんなある日の夕方。バイトを終え帰っていると、いつものように夕焼けをカラスの大群が飛んでいた。
 
なんとなくその景色を見ながら歩いていると、電線に止まっている1羽のカラスを見つけた。
 
「お前はみんなと一緒に帰らないのか?」
 
そんなことを思いながらそのカラスを見ていたその時、驚くことにカラスは突然、こう鳴いた。
 
 
「カラース!!!カラース!!!」
 
 
いや、本当なんですよ。嘘じゃないんです。お願い。ね?
 
信じられないのは分かります。僕だってこんな話又聞きしたら言ったやつ一人ずつ文句言いながら張本人までさかのぼります。
 
でもね?実際そのカラスは「ラ」と「ス」を発音していたんです。本当に。
 
まあ確かに?「ス」はちょっと怪しい感じがしました。今思い返してみると日本人が発音しない「th」的な、スゥ~っと息が漏れるような発音でした。
 
ただ、「ラ」は絶対に発音していたと自身を持って言えます。そこだけは疑ってほしくない。
 
…いや、まだ信じてもらえてない気がする。
 
ていうかさ、カラスが何かの拍子に「ラ」を言えたら「ス」も言いたくなるのって当たり前でしょ??ねぇ?だってあと一文字で自己紹介出来るんだよ?
 
カラスほど頭のいい動物が「カラー!」で満足するはず無いんですよ。あと一息なんですよ。そこで満足しちゃうようなやつはドンキーコングでボーナスステージ全部見つけずに全クリとか言っちゃうようなアホと一緒ですよ。
 
だからさ、あのカラスは頑張ったんですよ。人間だって時々噛んじゃいそうになるサ行を一生懸命雨の日も風の日も練習し続けて、それでも駄目で、でも諦め切れないからやっぱり練習して、そんな姿を見た他のカラスには馬鹿にされて、群れから見放されながらも電線の上で1羽寂しく鳴き続けて、ある日溜め息でも付いたんでしょう、あれ?息を漏らすように発音すれば「ス」が言えるじゃん!!!って事に気づいて、高鳴る胸と戸惑いを抑えながらも万感の思いで「ス」を発声!!!これ!!これで!!「カラス」って言えるじゃん!!!自己紹介できるよ!!ねぇ!?わかる!???そこの人間見てる!!??俺!!今!!カラスって言ってるよ!!!ねぇ!?聞こえてる!??
 
 
って感じだったと思うんです。信じてくれました?